Monthly Pickup Artist
Monthly Pickup Artist 2019/5
Monthly Pickup Artist
Harokkaを彩る旬なクリエイターを毎月紹介し、その活動や人柄にスポットを当てるコーナー。普段のお仕事や意外な一面、作品への想いなど、気になるクリエイターに注目! 第4回は、商業イラストレーターとしての確かな実力と表現力を持ち、Harokkaでも幅広いデザインを生み出す増渕芽久美さんをピックアップ!
Q1 絵を書き始めたきっかけはなんですか?
幼い頃から、お絵かきは楽しくてずっと続けていたんですが、 本格的にイラストレーションを意識するようになったのは高校を卒業する頃だと思います。
専門学校で学んだあと印刷会社に就職し、印刷物のデザイナーになったのですが、社内でイラストを使う仕事が入ると「増渕さん、ここにイラストを描いてよ」と頼まれて。
そのうちwebデザイナーさんに「自分のサイトを作って、もっとイラストを発表したら?」と薦めてもらい自分のサイトを作ることにしました。
今のような活動になっていったのは、それがきっかけです。
Q2 子供の頃はどんなお子さんでしたか?
変なんですけど、小さい頃「図形」をみるのが好きだったんです。
病院の壁のレリーフが三角と四角の組み合わせで人を表現しているとか、街の看板の企業ロゴがどんな形でできているかとか、ラインが何本あるかとか。
どうしてそんなことが好きなのかわからなかったけれど、大人になってこういうことをするようになり、あれには意味があったのかもしれないと思えて。
なんだかおもしろいですよね。
Q3 現在は主にどのようなお仕事が多いですか?
広告媒体や書籍などで使用するカットをご依頼いただくことが多いです。
イラストでさまざまなことを説明するお仕事ですね。
以前、イラストレーター原田治さんのスクール「パレットクラブ」に通っており、最初の授業で「イラストっていうのは説明図という意味なんだよ」と教わりました。
それまでイラストにアート寄りのイメージを持っていたので衝撃的だったのですが、目が覚めたような気持ちになって。
その言葉を大切に少しずつ進んできたので、今カットのご依頼をいただけることはとても嬉しいことだと感じています。
Q4 イラストレーターになっていなかったらどんな職業に就いていたと思いますか?
何度か人生の分かれ道はあったし、いくつか憧れた職業もありましたが、印刷物のデザイナーを今も続けていたかもしれない、というのが一番有力かもしれません。
今でもイラストを描くだけでなく、デザインをしなければならない場面はありますが、現役の頃に比べると鈍ってしまった感覚もあり、もっといいデザインができればいいのにといつも悔しく思うので、改めて勉強し直したい気持ちがあります。
Q5 デザインをする中で、特に意識していることはありますか?
壁紙用のパターングラフィックを考えるときは、画面に集中しすぎないように気をつけたいと思っています。
決まったサイズの絵を描くのを目的にするのではなく、空間を作っていることを忘れないようにしたいです。
Q6 アーティスト活動をされていて、一番嬉しかったことはなんですか?
大切な人たちができたことだと思います。
小さい頃から自己表現が下手で、お友達の作り方がわからずよく泣いていたのですが、描くという表現方法をもったことで、救われたことが多くあります。
私は直接気持ちや言いたいことを絵にするわけではないのですが、それでも、私の代わりに私を伝えてくれる部分があるように思います。
イラストレーションの活動を通すことで、私には大切な人ができたんだと、そう思っています。
Q7 デザイン・アート以外の趣味や特技はありますか?
特別上手いというわけではありませんが、お料理するのは好きだと思います。
今ほどイラストレーションに打ち込めていなかった時期があり、その頃はすごくお料理が楽しくて、時間のかかるものも楽しく作っていました。
でもイラストレーションに気持ちが向いてから、簡単なものしか作る気持ちになれなくて。
今は創作意欲がイラストレーションで満たされているんだなあ、以前はお料理で創作意欲を満たしてしまっていたんだなあと思っています。
Q8 好きな言葉とその理由を教えてください。
先ほど話した「パレットクラブ」で講師の一人だった、絵本やさんトムズボックスの土井章史さんが授業でおっしゃった、「完成させる自分を目的にせず、絵を描いている自分を目的にできるか」は心に留めている言葉のひとつです。
その言葉を聞いてから、自分に「今きちんとこの絵に向き合えてる?」と問いかけながら絵を描くことに気をつけるようになりました。
パレットでは他にもとても大切なことをたくさん教わりました。
通って本当によかったです。
Q9 将来の展望や目標はなんですか?
パターングラフィック制作での目標は、パッケージデザインです。
紅茶やチョコレート、キャンドルやサシェなど、いろんなフレーバーや香りがある商品をパターンの種類で表現するような。
いつかそんなお仕事をお請けできるくらい、魅力的なパターングラフィックを作れるようになりたいです。
Q10 今後Harokkaでやってみたいことはありますか?
クオリティをあげることが一番ですが、もう少し作品数を増やしたいです。
特に幾何学模様系のデザインを増やしたいなあと思います。
素敵な作家さんが多いですが、幾何学模様系の作家さんは少ないと伺ったので、Harokka内でのバリエーションになったらいいなと思います。